「形のない物にお金を使う世の中」が音楽家にもたらした恩恵

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ちょいと今朝、大阪府が発表した規制緩和のガイドラインに関するツイートで
「ライブハウスは原則着席、ステージと客席の間は距離を開けて
もしくはアクリル板などで遮蔽する」なんて事を求めてる話を見かけた。

 

まぁ、それ自体は別に何も無いのですが、
このツイートにこんなリプライをされている方がいらっしゃった。

つまり、お客さんに着席をお願いしてもつい立ち上がってしまったり、
故意にその約束事を破る人も出てきてしまうのではないか、って事。

「着席してライブなんてロックじゃねーぜ」みたいなわけのわからん事をいって
ガイドラインを無視する事を美徳とする人も出てきそうだし(笑)。

それよりも、ライブハウスとアーティストがタッグを組んで
ネット配信に注力をするとかいいんじゃないの??っていう建設的なご意見。

このツイートに対して。

「無名のアーティストにお金を落とす人なんていない」とか
「生で見るのがライブであってネットなんて意味がない」とか
まぁ非常に、非建設的な事しか言わない人に若干イラっとしましたが。

ちょいと最近、わたしが思った事をツラツラと書いてみます。
思いつきの戯言だから気に入らなかったらスルーして。

 

この2~3ヶ月の騒動のおかげで、「形の無い物にお金を払う」、
つまりインターネットコンテンツにお金を使う層が爆発的に増えたと思う。

「応援している人を助けなければ」っていう思いの人もいれば、
「単純に外出が出来ないのでネットの中に娯楽を求めている」という人もいる。

もちろん、以前から有料ネット放送や有料動画とかあったけれども、
この数ヶ月で爆発的に広まったし、ニーズが生まれた。

なによりも「ネットコンテンツにお金を払う習慣」が根付いたのは
音楽のあり方においてかなり大前進した様に思うんだ。

それはバンドマン、シンガーソングライターなどの音楽家に関わらず、
大道芸人、マジシャン、お笑い芸人、俳優、劇団員、パフォーマー、
「人に直接会って直接サービスを提供する人」全員に言える気がする。

「ライブ」が主たる収益源で、それ無しでは生きていけないと
誰もがそう信じて今まで疑いもしなかったけれども、
今こうやって「ライブ出来ません!!」ってなった時に
必死に知恵を絞り合ってなんとかしてる人が沢山いる。

前向きに捉えれば、出来る事は結構沢山あると思うんだ。
なんというか、前向きに諦めるというか(笑)。

 

例えばだけど、僕らは今、YouTubeのスーパーチャット、
つまり投げ銭にめちゃくちゃ力を入れている。

いつもより放送時間を長くして、より多くの人に見てもらえる様にしたり、
コメントも沢山拾って、初見の人の名前をしっかり呼んであげて、
「自宅にいるのに瀧澤と一緒にいる感」を出そうと工夫をしてたり。

そんで、月額のファンクラブ、わたしはYouTubeメンバーシップを使って
おみっちゃんはファニコンというサービスを使って、
今ライブが出来ない分のサムシングをなんとか補填している。

で、ライブが出来ない分の時間をグッズ制作に充てたりして、
有り難い事に100%とは言わずとも、これはこれでなんとかなってしまっている。

「こんなご時世でもなんか出来る事ないかなー」って動いてたら、
これはこれでなんとかなってしまって、「あらー??」ってのが正直な所。

ライブしてーけどな!!!

 

仲良くさせてもらっているライブハウス、まほろ座さんでは、
過去のライブ録画を期間限定でYouTube放送をして、
無料で公開する代わりに投げ銭を頂くという動き方をしてらっしゃる。

プレミア公開でチャットとかしながら見れるのですが、
演者も一緒に見てるからさ、ファンの人と演者のコミュニケーションも楽しめるのさ。
これって結構スゴイ、かなりのアイデア勝ちだよね。

もしかしたらライブの裏話みたいなのも出てくるかもだし、
その時のライブに来てた人は感動を思い返して更に楽しめると思う。

日程の都合が悪かったとか、遠方で参加が難しかったとか、
見たかったライブだけど、演者の事を知るのが遅くて行けなかったとか、
「めっちゃ見たかったけど見れなかった!!!」っていう人も喜ぶ

ココ、非常に重要。

「めっちゃ見たかったけど見れなかった!!!」っていう人も喜ぶ。

言い方変えれば、需要の取りこぼしを拾える。

ホントはお蔵入りしていた過去映像の再活用。
これは本当に素晴らしいアイデア。

ウタイスト、マネしようと企んでます(笑)。

 

そう、考えてみればライブって結構ハードルが高くてさ、
忙しい社会人にとって指定された日時に指定された場所に行くって
何気に結構ハードルが高い事なんですよね。

そこを当たり前の様にアーティストもオーディエンスも捉えててさ、
「そういうもの!!」っていう共通の前提があったから続いてたわけであって、
意外とネット配信とかも利用してみるとそんなに悪いものでもないのですよ。

テレワークとかに関しても、同じことを思っている人が多いと思う。
「今まで無理だと思ってたけど、やってみたらこれはこれで悪くない。」みたいな。

あの、ちなみにこれは「ライブなんかしなくてもネット配信で十分」じゃなくて、
「ライブが出来ないなりに選択肢はある」って話なので
わけのわからん勘違いはしないでね。

 

アーティストさんの人気がまだ非力で需要が少なく、
ライブ単体でのネット配信コンテンツの需要が見込めないなら、
ライブハウスごとに過去のライブが見れるサブスクとかも面白いと思う。

ライブハウス側がアーティストをジャンル別とか年代別とかに分けておいて、
ユーザーさんが好みのアーティストを見つけやすくしたりしてさ。

「ロック」とか「ポップス」とかそういう分け方もいいけど、
「ドライブにオススメ」とか「ティータイムにオススメ」とか
「元気を出したい時に」とか「パーティーのBGM」とか
ユーザーの場面にマッチする使い方を提供すれば
SpotifyやLINE MSICみたいなサブスクのBGMとして使う人も出てくるでしょう。

上位のバンドさん同士を集めて有料ライブ放送をやってみてもいいかも知れない。

そのライブハウスを代表するような扱いをすればアーティストさんも喜ぶし、
ファンの人にもサブスク参加を促しやすい。

今後ライブが出来る状況になったのならブッキング条件を優遇したり、
投票数一位のバンドには無料で貸し切りライブをさせてあげるプレゼントとか、
無料でレコーディングをしてあげるとか上位特典を用意したり。

あと「ライブハウスに行く習慣」がそもそも無いっていう人もいて、
一定数「行きたいけれども、怖くて行けない」っていう人がいるから
そういう人に「どういう場所なのか」を紹介する動画があってもいいよね。

入り口の入り方、チケットの買い方、受付の手順、ライブハウス店内の様子、
ドリンクの注文の仕方、ライブの楽しみ方、お手洗いの場所、喫煙場所、
そこで働いているスタッフの声や顔を紹介、などなど。

行った事がない人にとっては「わからない」は恐怖のカタマリなので
そういうコンテンツを作ってあげれば来てくれるきっかけになるかも知れない。

参加しているアーティストにとっても大きなメリットになりそうなのは
「そこのライブハウスに出入りしている他のアーティストを知れる」事もあるかも。

アーティスト同士ってブッキングとかで一緒にならないと知り合わないんだけれども、
ネットなら仲良くしたい、一緒にライブやりたい他のアーティスト探しもできる。

ブッキングライブになかなかお客さん呼べないのは、
当日出演する他のアーティストの事をよく知らないって面もあると思うんだよね。

今思いつくままに色々書いたけれども、
これって全部YouTubeのメンバーシップ機能で割と簡単に実現可能。

もちろんアーティストさんに許可を取ったりとか面倒な事はあるけどさ、
実現したらちょっと面白そうじゃない??

 

とにかく、なんかこの数ヶ月で色んな価値観や前提が変わってきて
逆に新しい事にチャレンジしやすくなっている面もあると思うんだ。

大変なのは誰もが一緒。

でも「何が出来るだろか」って考えれば、沢山選択肢はあるはず。

わたしも頑張ります。うひひ。

 

おわり

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