人生の岐路と関戸伸大

生き方が変わった大きな出来事というのは
今まで生きてきた中で2つありました。

1つは中学1年生のお正月の事です。

家にあった兄のアコギをジャカジャカ遊んでた俺は
おかんに「お年玉にエレキギターを買ってくれ」と言いました。

俺の兄貴はかなり反対しました。
「ギターなんか買ってもどうせすぐに飽きるだろ。」って。
「今、家にお金がないんだから節約した方がいい。」って。

そんな兄の大きな反対をあまり鑑みずに
母は「欲しいのなら買っておいで。」と2万円くれました。

そのお金で町田のタハラ楽器に行って
初心者セットのMGを買ったのが初めてのエレキギターです。

もしこの時にエレキギターを買っていなかったら
俺の人生は別の物になっていたと思います。

 

もう一つは「ギターの先生やらないか。」と
一声掛けてもらった事です。

声を掛けてくれた人は橋本という小さな街に
アフタービートという楽器店を作った人でした。

俺が中学生の頃に出会った人で
ラウドネスを弾く俺に向かって
「おまえいくつだよ??」って茶化してくれた人です。

多分昔から俺のギターを評価してくれてたんだと思います。
アフタービートを作ってすぐに声を掛けてくれました。
ギター教室やるから先生やんない??って。

それからギター教室は大きな賑わいをみせて
一時期は100人近く生徒さんを抱える事もありました。
動画サイトの登録者も何万人という規模になりました。

あの一声が無かったら
俺の人生は別の物になっていたと思います。

その人は関戸伸大という人でした。

でも死んじゃいました。
びっくりする位、あっけなく死んじゃいました。

 

関戸さんは俺に沢山の事を与えてくれました。

ギターのメンテナンスや機材の知識はもちろん、
ギターを教えるという仕事の楽しさや
イベントやライブを企画して楽しむという事。

池ちゃんや久保さん、石河さんとの出会いや
生徒さんを含めた沢山の人達の出会い。

関戸さんのおかげで俺は色んな場所で活動をして
様々な活躍をする様になりました。

そんな俺をすげー喜んで見てくれてて
めっちゃ応援してくれていました。

アフタービートの面々が音楽で食える様にしたいって
たまに目標みたいな事を語ってました。

俺はそれをガッツリ実現させました。
関戸さんはそれをめっちゃ喜んでました。

でも俺はそれに気付かないフリをしてました。
照れくさいとか恥ずかしいとかそんな理由です。

「ありがとう」を言わなければいけない場面が沢山あったけど
しっかり伝えられてませんでした。

でも伝えきる前に死んじゃいました。

 

子供の頃、道路を自分なりに走って駆け抜けて
振り返ると向こうに父親や母親がいて見守ってくれてて
もっと遠くまで走ってみせるから見ててねって。

俺は今頑張ってるよって背中でアピールして
家に帰ったら褒めてね、笑ってね、喜んでねって思ってたのに
自分なりに走って駆け抜けてたのに、いなくなっちゃいました。

振り返っても、いなくなっちゃいました。

 

もう、バカじゃねーのかと。
死ぬなんてカッコ悪すぎねーかと。

俺が頑張ってる意味を少しでもいいから考えてくれよ。
教えてくれた事を必死に今やってんだからもうちょい見ててくれよ。

なのに、いないって、どーいう事だ。
どーなってんだ。おかしーだろ。

 

アフタービート全員で葬儀の手伝いをさせてもらいました。
こんなに多方面に人望が厚い人の手伝いが出来るというのも
それはまた幸せな事なのかも知れませんが。

なんかまだ、納得出来ません。

いつの日かアフタービートの入り口から突然入ってきて
「実は生きてまーす。わー。」と胸を張って右手を挙げて
いつものあの雰囲気とポーズで笑ったとしても
なんだよ、やっぱそーなのかよと思います。

全然、腑に落ちない。

 

あーあ、マジかー。
しんじらんねーなー。

まいっちゃうなー。
どーしよーかな、コレほんと。

マジでどーすんすか、ホントに。
無責任すぎるやろー。

いやんなっちゃうなー、もー。
どーしましょ、マジで。

どうやら関戸さんは違う場所へいっちゃった様です。
もー、ホンマに勘弁してくれー。

 

 

 

もー、ホンマに勘弁してくれー。

コメント

  1. 中村くん より:

    瀧澤様御中

    いつもお世話になっております。
    また、この度はお悔やみ申し上げます。

    さて、私が大学浪人してる時、小学校からの大親友が交通事故で他界しました。

    彼の葬儀の時、彼の仲間がお盆になったら墓参りがしたいから彼の墓を作ってくれと
    彼の両親に頼みました。私は彼の両親が彼のために墓を作ることを乗り気でないのを
    分かっていたので頼みはしませんでしたが、仲間を意志を反対はしませんでした。

    私は墓参りに行く意義を理解できないので行かない代わりに毎年彼の命日に
    花を彼の実家に送っています。もちろん今でも送っています。

    それに対して、墓を作ってくれと頼んだ彼の仲間は1、2年も経たないうちに
    誰も来なくなり、今では1人も来ないそうです。

    瀧澤様と生前の関戸様との関係を知らない私が言うのもおこがましい話ですが
    故人との関係がどういうものかというのは案外故人が亡くなってからの
    その故人に対する人間関係のようなもので如実に表れるものだと思います。

    私の亡くなった大親友の仲間のとった行動の様にはくれぐれもならないように
    瀧澤様に御忠告差し上げます。

    そうでないと関戸様が亡くなって間もない頃にあまり大胆な言動行動をされると
    後々になってから関戸様の家族や親戚の方に失礼にあたる可能性がありますよ。

    私が言いたいのはそれ以上でもそれ以下でもありません。

    後で責任のとれる言動行動をとってください。

    中村

    • 瀧澤 克成 より:

      中村さま

      コメントありがとうございます。
      また貴重なお話もありがとうございました。

      言葉通り関戸さんは自分の人生を大きく変えた人です。
      あの人がいなければ僕の形は違う物になっていました。
      ある意味、親以上に影響を受け、人生を変え、
      近い存在であり頑張る意味の大きな一部である人でした。

      入院からの事、命日の事、葬儀の事、
      当日やたらに晴れた青空や少し遅くなった満開の桜の色、
      様々な事を一生忘れる事はありません。

      言葉通り、一生忘れる事はありません。

      胸に残る貴重なお話をありがとうございました。

  2. ごとうさん より:

    ファイトです‼

  3. 島田正利 より:

    瀧澤様
    初めましてyanmasaこと島田と申します。いつもユーチューブ、ツイッターなど楽しく拝見させて頂いてます。またutaistの石河さんもフォローさせて頂いております。

    この度はまことに御愁傷さまです。本当に瀧澤さんにとってかけがえのない恩師のご不幸、心痛お察し申し上げます。
    いつも楽しく明るい瀧澤さんとお見受けしている私ですがここ数日のツイート等拝見しているとその悲しみがどれほどなのか心悲しいかぎりです。
    お二人の絆の深さを瀧澤さんの言葉でしか想像の域を出ない私ですが、早くいつもの瀧澤さんに戻られます様心から願う次第です。きっと故人もそう望まれているはずです、「お前のやる事はなんだ!生きている限り別れはある。そして去る順番、生きて輝く順番がある。ここからはお前の番なんだよ」と、、、私も両親、友人、先輩と数々の別れの場に立ち会って来ました。先の言葉は大腸ガンで亡くなった私の現在の仕事を教えてくれた先輩の亡くなる一週間前の言葉です。
    故人の為にも1日も早く心落ち着かれさらなるご活躍されます様1人のファンとしてお祈りいたします。
    巡業宇都宮、地元栃木です。是非素敵な言の葉を石河さんの声と瀧澤さんの歌うギターで聞かせて下さい。長文またご不快な文有りましたらお詫びいたします。
    巡業楽しみにしています。

  4. つくね店長 より:

    橋本で見かけるたびに
    音を纏ってるような、放ってるような
    そんな人だなぁって思っていました。
    その身は旅立っても心は残って
    デスさんの活躍をずっと見守ってくれているでしょうね。
    御冥福をお祈り致します。

    こんな私でもショックなんだから、
    デスさんの気持ちは計り知れませんが、

    まだまだまだまだ大活躍を期待してますので
    ガシガシいっちゃってくださいねーーわー!
    元つくねてんちょ。

  5. まさ より:

    瀧澤様

    初めまして。突然の書き込み失礼します。
    関戸くんのお通夜参列させて頂きました。
    私が、最後に関戸くんに直接あったのは、もう30年も前の事。
    ネットが普及し、今頃どうしているかと、名前で検索を繰り返し、アフタービートをオープンさせていることを知り、やっと連絡できたのが数年前。
    この時のことを、関戸くんが何かに日記として書いてくれたのは、とても嬉しかった。
    それから、メールのやりとりを数回し、ずっとライブに行きたいと思っていました。
    そして久しぶりに会えたのが、お通夜でした。
    後悔の涙が溢れ、二度と帰ってくる言葉がない事に悲しくて仕方ありません。
    関戸くんの過ごしてきた時間、仲間、家族。私はほとんど知りません。こうして瀧澤さんのように、誰かが関戸くんのことを書いてくれることで、私は知ることが出来ました。
    関戸くんはたくさんの仲間に愛され、とても幸せだったんだなぁと思いました。
    好きなことをやり通した関戸くんは、やっぱりかっこいい。

    まだ、関戸くんのアドレスを消す勇気がないかな。
    長めの前髪から覗く、少しタレ目の顔も、もう目の前で見ることが出来ないけど、数少ない動画がアップされている限り、関戸くんの姿は見れるんだなぁ〜。
    心の整理なんて簡単にはつかない。
    でも、それでもいいと思う。

    関係ない話になってすみません。
    ありがとうございました。

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